頑丈なマンション投資
91年2月期には平均在庫日数は7.9日、平均日販は67万円、粗利は29.0%と高水準になった。
精度が高くなった発注によって在庫を減らし、逆に売り上げと利益を押し上げる好循環を作りあげたのである。
ところが、思わぬところからSの独自の配送・物流体制やコンビニエンスストア業界の物流についての批判や不満がわき起こってきた。
90年春、加工食品メーカーが相次いで製品値上げを打ち出した際の理由に、人件費や製造原価の高騰のほか物流費の上昇を挙げたのだった。
コンビニ業界の「多頻度、多品種、少量」配送が物流費を押し上げていると主張するところも現れた。
折しも、米国政府が日本の流通構造が複雑だとして市場開放を強く求めてきた時期と重なった。
通産省(現経済産業省)は90年11月、日本フランチャイズチェーン協会に対し、「多頻度小口配送は環境面で問題がある」とする文書を送り、何らかの善後策を講じるようコンビニ業界に求めてきた。
24時間営業も環境面で難あり、とやり玉に挙がり、業界最大手のSはまさに批判の矢面にさらされた。
物流・環境問題が取りざたされる中で日本加工卸食品協会が物流費に関する調査をしたところ、首都圏のコンビニエンスストアの売上高(問屋出荷時)に占める物流費は9.6%、倉庫費は1.3%だった。
一方、Sでは物流費が7.5%、倉庫費は0.9%で業界平均を下回っていた。
共同配送センターを使用すると、物流費は5.5%、倉庫費は0.8%とさらに低下した。
同社はこうしたデータを行政や消費者団体などに説明し、火消しに努め、逆に効率的な物流システムとして、高い評価を得た。
Sは当時のことを振り返り、「あらぬ誤解から会社の存亡の危機に陥った。
いろいろな物流データを公表してようやく理解してもらえた」と述懐する。
Sの物流の取り組みはそれまで正確には開示されておらず、秘密のベールに包まれていた部分が多かった。
99年7月、東京の繁華街、新宿区内にある加盟店主からOFCを通して、S本部にこんな要望が寄せられた。
これまでSではビールやお茶などのドリンク類は週3回、店頭に届けられていたが、夏場になると需要が急増し、あらかじめ多くの商品を発注しても対応するのが難しくなってきていた。
都心の店舗ではバックヤードが狭く商品の保管場所が足りなかったからだ。
この年は日曜日を除き週6日のドリンク配送態勢にして加盟店主の要望に応えたが、物流コストを考えると問題が残った。
トラック一台を新たに配送ルートに加えると、年間で2千万円の負担増になるからだ。
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